「ゆくあて」 (F30)
「ゆくあて/テキスト」
「いくつもの月を通す針は、最後の月まで届いたばかりです。」
「サボテンと瓶詰めの砂漠」
「木の実の傘」
「うずしお」
「Coffee & Chocolate」 (F30)
「消えてく空の淵、もう見つめないように」
「ラズベリソーダ・ガーネット」
「Letter」
「Red objet」
「発光」 (B3)
「息の外膜」
「銀河鉄道」 (B3)
「月光のある台所」 (B3)
「麦生踏み」 (B3)
「気球に乗ってどこまでも」
「水中呼吸」
「耳のプール・鼓膜通り抜ける水に生む泉」
ただ切れ端をポケットに入れています。 そこには燕がスケッチされていて、今のところ消えてはいません。
「雨を飼う」
「また冬がくる。」
「忘れられない歯」
「避雷草」
「避雷草/テキスト」
「星航海」
「小さくて軽い部屋」
「離脱する丘」
「手紙を書く山」
「手紙を書く山/テキスト 」
「手紙の山」
「流星」
「最後の青い月まで針は届いた。」
バルーンが灯り、風が吹く 草は伸びて、氷に触れる
「緑の道を行く」
「手紙を書く山羊」
「苔星の丘で」
「熱帯魚のタトゥーになる夢、熱帯夜」
「BIG ZINE」P1 朝焼け・白昼、海の反射・夜は黒猫を見た
「宇宙の水盤」
「春一番」
「スノー・ウール」 どんなに暖かくても羊しかいない。 偽物の雪は冷たくないと思っていた。
「月食の逃避行」
「羽ばたく星」 羽がなければ、蝶でもない 藻くずは羽を忘れない それでも羽ばたく星は、 差し込む光を呼びこんだ ただ、4本の足は自由に
「FRACTAL」
「未確認海底部隊」 U.海の底の未確認 F.二人乗り漕ぎ出すローチューン O.オカルトじゃないクラゲのハイテク
「木漏れ日の木」
「瞳に宿るタイフーン」 瞳が嵐を起こすから、不思議なことが起きるのだ。 テトラポットが回転すれば、この海も回転する? マントルで覆う瞳、彼女の巣 誰の爆風も許さない
「沈む水平線」
「水平線に何かいる。」
「ガラス・スコールも怖くない」 突然の、ガラス・スコール。 スライムが受け止めてくれる、安全な嵐。
「DIVE」
「登校」 モーニング・ティーが冷めるまで 校舎が崩れてしまうまで
「いくつもの月を通す針は、最後の月まで届いたばかりです。」
「また冬がくる。」
「行進するさようなら」 頭打ちの音が鳴る 最後のテープが追いかけてきている
「耳たぶが フォー・ユー」
「リップ・サービス」 あなたの唇を、バーガーにして食べたい 唇のハットのふれあう口づけ 今度はおそろいの色を身につけて 本物はまたいつか、会えたとき
「おいで、ピーターパン」
「ペーパー衛星」 ちぎれたペーパー衛星 待ちつづけるペーパー軌道 太陽は指切りの数だけ旋回し、遠い月のもとへ帰っていく。
「浮引力」 引きあう二つの岸越しに声を聞く。 糸が切れるまでは、向こう岸は見えない。
「草むらの部屋」 電動カーテンの蝶の羽。
「(アナーキーなパーティー)」 太陽は磔に、月は埋められてしまった。
瞳の惑星、垂れる涙のムーンリバー 白い毛並みを洗い流して 海をつくっておくれ
「移動する体内」 たどり着くかも分からない 紙飛行機は手紙を乗せて たゆむ胃が言葉を溶かす 十分にたがやかされた、申し分ない栄養を糧に 地上を探しつづける三日月
「恋の檻」 天秤の中の、爪の中の少女。天秤は死んでいる。春を固める白い雪。
「彼女の胸が遠くなって、幸せが訪れます。」
「この雨が止めば、」 レモンは太陽にはなれない。 キャンディ袋の中の少女が雨雲を降らせる。この雨が止めば、きっと虹がでる。 そしたらレモンは透明になって、溶けて海に沈んでしまう。
「宇宙雨」 宇宙は水に満たされている。 静かで激しい通り雨が時々降って、宇宙の水をきれいにする。
「時限爆弾式観覧車」 時限爆弾式観覧車が空にたった。 それを知る者も 知らない者も 日常生活を続けている。
「フラジールなトマト」 陶器飛行機が空をとぶ。 潰れたトマトを尻目に、半分の瀬戸物人形は接着剤を探している。
「角のつばさ 根のつばさ」
「真実の愛を食べる角」
「神様のくに」 この国の太陽が、この国をあやしている。
「ラズベリソーダ・ガーネット」
「はじまり、はじまり」
「待ち合わせ」 これで何度目のことかは分からないが、彼が電車を降りることはなかった。
「リップ・アトラクション」 下唇は揺れるゴンドラ 少女は風邪で口の中をいっぱいにする いつか一回転してしまっても、舌を噛んでしまわないように いつまでも美しい歯でいられますように いつか本当の水平線が分からなくなっても
「沸騰する渦の中で、いつか白い糸になる。」
「気球に乗ってどこまでも」 肉色の世界を 気球に乗ってどこまでも